“今回インタビューさせていただく方はマインクラフト業界の第一線で活躍されているタツナミシュウイチさん!
マインクラフトへの熱量や、その思いはいったいどこから来るのか!伺って行きたいと思います!”
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戸松
タツナミさんの経歴をちょっとこちらの方で調べさせて頂いたときに、プロマインクラフターってキーワードがあったんですけれども。
プロマインクラフターっていうのはなんなんでしょう。
タツナミさん
実は半分僕が勝手に名乗ってるようなもんですけどね(笑)
プロマインクラフターっていう称号みたいなものはないんです。
正確に言うと、マインクラフトオフィシャルパートナーっていう名前なんです。
戸松
はいはいはい。
タツナミさん
マインクラフトのマーケットプレイスっていうところに出品をした人に与えられる称号で、それがこのマインクラフトオフィシャルパートナーっていうバッジなんですね。
タツナミさん
このマインクラフトオフィシャルパートナーっていうのは所謂自分の作ったコンテンツを、マインクラフトのマーケットプレイスに出すにあたって、様々な審査を乗り越えてコンテンツ販売される公式マーケットプレイスのコンテンツとして認められた人、認められたユーザークリエイターに対して与えられるバッジなんですね。
タツナミさん
一応オフィシャルパートナーっていう名前なんで判りやすく言うとマインクラフトの公式のパートナーです。
といってもなかなかわかりにくいので、マインクラフトのマーケットプレイスでお仕事としてマイクラをやっているプロの人っていうことと、マインクラフトをやってる人のことを日本ではマインクラフターいうので、それを合わせて聞いてわかりやすくプロマインクラフターと名乗っています。
マインクラフトでお仕事してる人なんだなっていうのがすぐ通じるので僕が作った造語みたいなもんです。
戸松
すごくわかりやすいですね。
なんかオフィシャルパートナーって言われるよりプロマインクラフターって言われた方が何をしている人なのかストンと入ってきます。
タツナミさん
一応マイクロソフトの人に説明するときに、プロのマインクラフターって言っていいですか?
って言ったら「あ、いいですよ」って言ってもらえたんで(笑)
戸松
じゃあそれも公認なんですね(笑)
めちゃめちゃくちゃわかりやすいです(笑)
戸松
ちなみにタツナミさん、色々代表作品を出してると思うんですけれども、販売するにあたってマーケットプレイスに何本くらい出してたんですか?
タツナミさん
全て私一人で作ったものは一作品で、私がリーダーになってチームで作った作品が二作品。
一部、私も製作に関わったものが二作品か三作品くらい あとは全部私がプロデューサーとして作ったものです。
戸松
プロデューサーとして作ったものもあるんですね。
タツナミさん
そうですそうです。
戸松
それは、ワールドを作って出品してそれを買った人がそのワールドで遊べるみたいな形っていう認識であってますか?
タツナミさん
そういうことですそういうことです。
所謂ダウンロードコンテンツってやつですね。
戸松
じゃあもう一つの世界売ってるってことなんですね。
タツナミさん
そうですそうです。
建築物だけじゃなくってアドオンで新しい要素を加えたりとか、見たことのない生き物とか、見たことがないオブジェとか建物とかを楽しむことができます。
戸松
それはすごい魅力的ですね。じゃあ作ろうと思えば深海魚とかも作れたりするんですか?
タツナミさん
そうですね。
水族館のワールドだと深海魚だけじゃなくてマイクラの中に実装されてない海の動物たちが何十種類もいるみたいななんかそういうのもありますよ。
戸松
なんか公式実装されてないものを作れるってすごくないですか?
夢は無限大ですね。
タツナミさん
クリエイターたちの思うままに作ってますね。
無けりゃ作るがマイクラなんで。
戸松
そうなんですね。
なんか段々タツナミさんの言っていたプラットフォームっていう感じが段々伝わってきました。
タツナミさん
最近流行りなのは恐竜なのかな。
なんかやたら最近恐竜のコンテンツすごい増えてきてるなーって思って。
戸松
マイクラの自由な作りの中でも結構トレンドとかって存在するんですね。
タツナミさん
ありますね。
戸松
なるほどなるほどありがとうございます。
戸松
タツナミさんがプロマインクラフターを名乗るまでっていうのは、今までいちユーザーとしてゲームを遊んでいたと思うんですけれども、プロマインクラフターになろうと思ったきっかけというか、なるまでの経緯?どういったプロセスを経てプロマインクラフター、オフィシャルパートナーを名乗るようになったのでしょうか。
タツナミさん
なろうと思った経緯ですか・・・
なろうとしてなったっていうことじゃないかもしれないですねー、そもそもの始まりは自分のコンテンツを外国の子供達が遊んでくれるかもしれないっていうところがきっかけだったんですよね。
外国の人が持っている、所謂日本の印象っていうものがちょっと違うんだよって知って欲しいっていう思いが当時ありました。
要はあの外国の人から見ると日本って今でもサムライ、フジヤマ、ゲイシャ、ハラキリなんですよ。
戸松
なるほどなるほど、現代とのギャップがまだあると(笑)
タツナミさん
そうそう。ニンジャ、スシ、テンプラなんですよ。
その中でも僕が一番そこはちょっと強く「違うよ」ってこれが本物だよっていうのを見せたいなって思ったのがお城なんですよね。
タツナミさん
日本のお城ってこういう形をしてるじゃないですか
タツナミさん
まあ所謂皆さんが知ってるザ・城ですよね。
戸松
そうですね。
タツナミさん
なんですけど海外の人が考える日本の城っていうのは実は東南アジアで見られるような赤い壁で屋根がこうシュッと反り返った、所謂アジアン寺院みたいな感じでその建物をジャパニーズキャッスルとして認識しているんですよ。
戸松
へぇ~!そうなんですね!
タツナミさん
映画とかを見てもらえればわかるんですけど、例えばキルビルとかに出てくる日本の建物ってあれ日本の建物ってより中国の建物に近いんですよ。
それってやっぱり、まだまだ日本独自の文化っていうものを、芸術美術建築っていうものが海外の人にちゃんと理解されていない。
タツナミさん
ちょっと違う、ってところが理解されていないのが個人的にすごく悔しいというか残念で、日本のお城と中国とかアジア、東南アジアのお城とは違うんだぞ!日本のザ・ジャパニーズキャッスルはこれだ!っていうのを見せたくって、一番最初にマーケットプレイスに出したのが「睦月城」っていう日本の平城、駿府城をモデルにして作ったお城なんですけど、そういったものを知ってほしい。
日本のものをもっと知ってほしいっていう気持ちがあって、マーケットプレイスにチャレンジしてみようかなって思ったのがそもそものきっかけだったのかもなーと思います。
やっぱりマイクラが大好きで、ずっと続けてきてマイクラと共に歩んできた人生だったから、マイクラの役に立ちたいっていう思いがあり、誰よりも最初にマイクラのオフィシャルパートナーとしてマイクラに恩返しをしたいなっていう熱い情熱みたいなものがありましたね。
戸松
その熱意がでた結果として、マーケットプレイスの出品はアジア人初でしたよね。
タツナミさん
そうなんです、当時は中国でも東南アジアでもあのマーケットプレイスに出してる人っていうのは実はいなかったらしくてですね、日本で最初って当時は言ってたんですけど、結果的にアジア圏で最初っていうことになりました。
戸松
もう熱量が違いますね。
外国とのその意識の差というか、なんかそのまだ日本がハラキリとかだったりとかニンジャ、サムライとかって言われているその認識の違いをマインクラフトで埋めに行こうっていう発想がもうすごいなって聞いてて思いました。
タツナミさん
でも結局それも、後々一年くらい経った後にですね、「あ、違うな」って思っちゃったんですけどね。
戸松
そうなんですね、なんでそう思うようになったのでしょう?
タツナミさん
なんだろうな、まず興味を持ってもらうことが大事なのかなって思ったんですよね。
これはちょうどマインクラフトで教育ってものをやり始めた頃に気づいたんですけれども、子供達にいかに興味、好奇心を持ってもらうかっていうところのファーストステップなんですよ。
僕が当時やろうとしてたことは、子供達の目の前に分厚い参考書だったり論文を積み上げて、これが正しいことなんだ。
と言ってドンッと提示することに他ならないなと思ったんですよね。
戸松
なるほどなるほど。
タツナミさん
語弊があるかもしれないですけど、それは決して受け入れやすいものではなくて、下手をすると拒絶反応を示してしまうものである可能性が非常に高いということなんですね。
だから今の僕だったら、例えば楽しくマイクラの中でクイズをやることで、アジア風の建築物と日本古来の和風建築って並べておいて、さあどっちが正解だ?みたいな感じにしておいてアジア風のところに行ったらマグマの中にドーンと落ちるみたいな(笑)
戸松
うわぁー間違えたーみたいな(笑)
タツナミさん
オーノーフォールっつって(笑)
みたいにした方がよっぽど面白かったんだろうな、っていう風に思うんですよね。
タツナミさん
こっち違うんだ、そうなんだ、こっちが本当の日本のお城なんだ、なるほどねー、ファンタスティックだねークールだねー、って遊んでもらった方がもしかしたらよかったのかなーって今なら思います。
だからあくまでその外国の人たちが持っているその日本に対してのイメージっていうものも受け入れた上で、こういうものもあるんだよっていうのを提示してあげるのがもしかしたら一番楽しんで貰って一番優しい教え方だったのかもしれないなー、っていうのはちょっと思いました。
そんな思いがあって実はあの「エドボンダンス」っていう作品に繋がってたりします。
[江戸の夏~盆踊り~(EDO BON DANCE)とは]
『とある旅人が辿り着いた大きな街。盆踊りと花火の祭りの日、旅人に様々な依頼が来る…!』
Japan Crafters Unionから過去リリースされたワールドの中で史上最大規模の1000×1000ブロックにびっしり敷き詰められた大型和風建築ワールド。
ワールドの中では通常のマインクラフトでは出会えない様々な置物やアイテム、日本独自の村人たちと触れ合う事ができ、江戸情緒あふれる世界に没入しながら大量のアドオンが組み込まれたマインクラフトを楽しめる。
タツナミさん
「エドボンダンス」っていう作品は、ただ城があるだけではなくて江戸の街並みをモデルにしたワールドの中でお使いクエスト、自分が旅人になって街で困っている人たちを助けるミッションをクリアしていくと、色んな人たちに認められてその街の住人になっていくみたいなストーリーなんですけど。
実は所謂、ザ・ジャパニーズなんとか、みたいなものを入れすぎないようにしてるんです。
戸松
あ!あえて主張しすぎないようにしてるってことなんですね!
タツナミさん
そうなんですそうなんです!
でもわかりやすく作ってる、というか作り込んでるというか。
戸松
違和感のないように、というか主張しすぎないようにっていう配慮があるんですね。
タツナミさん
そうなんですそうなんです。
だからタイトルも最初の構想では盆踊りだったんですけど。
違うなって思って「エドボンダンス」にしたんですよ。
タツナミさん
江戸ってきたらやっぱりOh Edoってなるわけじゃないですか。
で、実はあのBON DANCEってあのアメリカとか外国には浸透してる単語でして。
戸松
あ、そうなんですか?
タツナミさん
はい。
ハワイとかアメリカ本土に住んでらっしゃる日系の方達がですね、盆踊りをやってるんですね。
日本古来の伝承の文化っていうことでやってる、っていうのを調べたら出てきまして。
で、盆踊りとは言わないらしいんですよ、盆ダンスとか盆フェスティバルって言ってるんですよね。
やーこれいいじゃん、もう盆踊りっていう日本語にこだわる必要すらこれはないな、っていう風に思ったんで、もう向こうの人たちが知ってるであろう。
もしかしたらどっかで聞いたことあるであろう、タイトルにしようと思ってエドボンダンスにしたんですね。
戸松
エドボンダンスってそういう由来だったんですね。
タツナミさん
ちゃんとあの向こうの人たちにわかりやすいようにと思ってタイトルも決めたんです。
戸松
そうだったんですね初めて知りました。
なんで普通に盆踊りという名前にしないんだろうなってちょっと思ってたんですけど。
今のお話聞くと、確かにそっちの方が伝わりやすいかもしれませんね。
タツナミさん
あくまで作るときには受け取ってもらう側の考え方とか、立場とかそういったものをしっかり考えた上で、こうスッと飲み込みやすいように上手く作ってあげるっていうのが一番いいのかなー、っていうのをまあ思い始めて今も試行錯誤してるっていう感じですね。
戸松
なるほどなるほど、ありがとうございます。
海外のことも、知識を取り入れてわかりやすい名前をつける。
そんなことまでしてらっしゃるとは、全然知らなかったもので、すごい新しい発見です。
その裏事情が聞けて、そういう意図があったのだと改めて知ることができました。
タツナミさん
これ人に言ったの今が初めてだと思います。
戸松
本当ですか!うちのメディアだけですかね?
タツナミさん
多分(笑)
戸松
ありがとうございます!(笑)
新鮮なネタが手に入りました(笑)
次回はタツナミさんのプライベートに迫ります!
お楽しみに!
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