“FERIA→KeiL→妃阿甦など数々のインディーズバンドを渡り歩いてきた元V系ヴォーカリストTETSUYA(現Dear rain)が
レトロゲームを隅々までとことん語る!不定期連載!!”
▼前回の記事はこちら
前回に引き続きNintendo Switch Onlineで遊べるファミリーコンピュータのタイトルの中から、是非プレイしてほしいレトロゲームをランキング形式でご紹介!
今回は栄えある第1位の発表と番外編をお伝えいたします。
戸松
前回第3位、第2位と紹介していただいたんですけども、Nintendo Switch Onlineでプレイ可能でTETSUYAさんが是非今の子達にプレイしてほしいファミコンソフト第1位の紹介をお願いします!
TETSUYA
第1位は、くにおくんシリーズで有名なダウンタウン熱血物語ですね!
戸松
出ましたね!
TETSUYA
くにおくんっていうのはメジャーな作品でアプリにもなってますし、名前は聞いたことあると思うんですよ。
今はアーカイブスで他のハードでもゲームができるようになってますし。
くにおくんシリーズって初期の段階ではもう少しリアルでベルトアクションゲームだったんですよね。
戸松
横にどんどん移動して行きながら戦うゲームですね。
TETSUYA
はい、 そういうアクションゲームの走りだったんです。
フォルムもリアルで不良高校生の抗争を描いた喧嘩アクションゲームだったんですけど。
このダウンタウン熱血物語というのは89年にファミコンで発売されたんですけど、くにおくんシリーズの第3作目にあたるんですよね。
戸松
そうだったんですね。
TETSUYA
ダウンタウンシリーズはリアルさを失くしてコミカルな感じで描かれてるシリーズなんですよ。
で、2作目は何かと言うと熱血高校ドッジボール部というのがあって、くにおくんがドッジボールするゲームだったんですけど。
戸松
あ!僕それはやったことあります。
TETSUYA
ドッジボールも面白くてすごいヒットしたんですよね。
一切喧嘩とか不良とか関係なく、ただくにおくんがドッチボールするスポーツゲームだったんですけど。
戸松
普通のドッジボールゲームでしたよね。
TETSUYA
はい。
そのドッジボール部の時にキャラクターが可愛く描かれるようになったんですよ。
それをそのままアクションゲームにしてしまおうって開発されたのがこのダウンタウン熱血物語なんです。
ダウンタウンといってもお笑い芸人のダウンタウンは一切関係ないですからねw
戸松
最初そっちかなと思ってましたw
TETSUYA
この後に格闘伝説とかストリートバスケとかいろいろ出てるんですけど、そのシリーズで繋がっていく第1作目なんです。
このゲームのオススメ要素というのが、 まず二人同時プレイが可能。
戸松
協力プレイということですね。
TETSUYA
協力プレイなんですけどお互い殴り合うこともできてしまう。
例えば人間魚雷という技があって。
戸松
www
TETSUYA
相方を放り投げて魚雷みたいになった相方で敵をやっつけるとか。
あと敵キャラに入り混じって相方を蹴ったり殴ったりしてしまったり、アクシデントや緊張感があったりするんですけど、協力しながらやっていくゲームでRPG要素も入ってるんですよ。
戸松
そうなんですか!?レベルがあるんですか?
TETSUYA
普通に不良達をやっつけて行くんですけど、不良をやっつけるとお金が落ちるんです。
そのお金を集めてパワーアップアイテムを買ってキャラクターを成長させていく。
だからRPGみたいにステータスもあるんですよね。
戸松
不良倒してお金をもらうって完全にカツアゲですねw
TETSUYA
そうですねwカツアゲですねwww
カツアゲして集めたお金でキック力を上げたりパンチ力を上げたり、お店に入って食べ物食べたら体力が回復したりするんですよ。
戸松
面白そうですね!
TETSUYA
面白いですよ。二人同時プレイできますし。
バランスよく育てて行ってもいいし偏らせてもいい、何でもできるころが面白いです。
キャラクターは小さいんですけどアニメーションがすごい細くて表情も豊かだしやってて楽しいですね。
不良活劇みたいなノリは一切なくて、どちらかと言うとギャグ要素が強いゲームなんです。
戸松
結構コミカルなゲームになってるんですね。
TETSUYA
そうです。
くにおくんシリーズだけどコミカルに描かれてるところがすごい入りやすいと思います。
互いの力を上げながら1人でやったり時には2人でやったり。
このゲームはパスワードも取れるのである程度のところまで行ったらやめて次の日にプレイする事もできるし、強さを共有する事ができるんです。
例えば僕と戸松さんがプレイしていて僕だけパワーアップしたとして、次の日また戸松さんと一緒にプレイする時に同じパスワードを入力すると僕と同じステータスになるんですよ。
戸松
えー!めちゃくちゃいいじゃないですか。
TETSUYA
そういう事もできるので、バランスも良くてあまり難しくないですね。
戸松
何か聞いてる限りファミコン版の三國無双みたいだなって思ったんですけど。
TETSUYA
要素的には近いかもしれないですね 。
不良やヤンキーっていう言葉は今の時代にそぐわないですけど。
ゲーム内容はアクションゲームですがRPG要素が入ってて、ストーリーも複雑に描かれてるんですよね。
戸松
ストーリーも良いんですね。
TETSUYA
各学校の抗争があったり、ストーリー的には映画を観てるような雰囲気にもなるので、そういう意味でも入り込みやすいかなと思います。
写真見てもらえばわかるんですけど、すごく画面が綺麗だし。
今リメイク版とか出てるんですけど、少しグラフィックが上がったくらいでファミコンフォルムでリメイクされてるんですよ。
ほぼファミコンの状態で今でもリリースされてるって事はそこで完成されたゲームだったって事だと思うんですよね。
戸松
確かにそうですね。
TETSUYA
僕が1番これを勧める理由は、2人同時プレイができるしストーリが良い。
それにアクションゲームとしても完成度が高い。
今の子達もある程度知ってるくにおくんシリーズということもあって是非プレイして欲しいですね。
戸松
今はSwitchで出来るので是非プレイしていただきたいですね。
TETSUYA
そうですね。このSwitch版というのはファミコンのまま入ってるんですよ。
戸松
そうなんですか!?セーブデータではないんですね。
TETSUYA
そうなんですよ、当時ファミコンで使用していたパスワードもそのまま使えるし当時の裏ワザも全部できちゃったりするんですよ。
だからそういうのも楽しめるんじゃないかなと思いますね。
戸松
へー!そうなんですね!
TETSUYA
ただ、 このゲーム1つだけ言っておくとラスボスがめちゃくちゃ強いです。
戸松
そうなんですね。
ではRPG要素も含まれてるという話だったのでステータスをかなり上げてから挑まないと厳しいんですかね。
TETSUYA
そうですね。
そこそこ強くすれば最後のボスまではすぐに行けちゃうんですよ。
ところが最後のボスだけはめちゃくちゃ強いのでそこは最強にしとかないと多分勝てないと思いますw
戸松
最後の壁がすごく分厚いんですねw
TETSUYA
そうですw
このゲームはテクノスジャパンっていう会社から出てる作品なんですけど。
海外版くにおくんと言われているダブルドラゴンというゲームがあるんです。
それをモチーフにしたキャラクターが最後のボスになっていて、これはネタバレでもなんでもなくて最初から公表されているんですけど。
ダブルドラゴン兄弟っていうのが最後のボスなんですけど、その時にダブルドラゴンの BGMが流れたり粋な仕掛けがあるんですよ。
戸松
それはダブルドラゴンを知ってる人からしたらニヤける演出ですね。
TETSUYA
はい。これ本当に面白いですよ。
戸松
分かりました、ありがとうございます。
これ普通にお話聞いてて僕やりたくなってきましたw
TETSUYA
www
是非プレイしてみてください!
戸松
はい!
と言うことで、今回堂々の1位はダウンタウン熱血物語でした!!
戸松
ベスト3には選ばなかったけど、これもオススメだよっていうゲームがあればお話をお伺いしたいんですけど何かあったりしますか?
TETSUYA
まずSwitchで配信されているゲームを見たんですが、メジャーな作品はもちろんなんですけど、ちょっとマニアックすぎて金額的にもプレミアが付いちゃったゲームがあるんですね。
戸松
そういうのがあるんですね!
TETSUYA
ざっくり言うと「暴れん坊天狗」っていうタイトルのゲームとかあるんですけど。
今僕がオススメしても買うってなると6万とか7万とかすごい金額なんですよ。
戸松
えー!プレミアの付いたゲームは尋常じゃなく高いですね!
TETSUYA
実際簡単にはできないんですけど配信に入ってるのはすごいなって思ったんですよ。
そういうプレミア要素もあってなおかつ面白いって言うので1個選ぶとしたらラフワールドですね。
これはファミコン世代の僕からすると結構有名なサンソフトっていう会社が出してるんですけど、ただプレミアが付いてるって言うだけではなくてアクションゲームとしてすごくクオリティが高いんですよ。
戸松
アクションゲームなんですね。
TETSUYA
はい。
実は映画のターミネーターをゲーム化しようとして企画されたゲームなんですよ。
発売が90年なんですけどいろいろ問題が出てきて原作映画のストーリーに沿ってないとか映画の制作サイドから言われて結局ライセンスの取り消しを食らってしまったらしいんです。
戸松
そうなんですね!
TETSUYA
サンソフトが1回作ったんですけど映画側がライセンスを取り消して。
仕方がないけどここまで作ったんだからキャラクターと設定を変更して出そうということで出たのがこのラフワールドなんですよ。
そういう事もあってターミネーターって言われるとターミネーターだなっていうロボットが出てきたりとか、ターミネーターのBGMに似てるなっていう名残りはあるんですけど、ファミコンでよくぞここまで作りましたっていうぐらい完成度が高いです。
戸松
そうなんですね、では本当にストーリー性が沿ってなかったっていうだけだったんですかね 。
TETSUYA
そうですね。もったいないといえばもったいないんですけど。
逆に言うと僕の場合ターミネーターって言われるよりオリジナルで出たからこそ凄いなっていうのもありましたね。
ファミリーコンピュータとして捉えてこれをプレイしてもらうと凄いって思うんですよ。
タイトル画面からしてすごい凝ってるし、ボス戦とかもかなりグラフィック描き込まれてるんですよ。
戸松
今見ましたけどファミコンにしては綺麗ですね。
TETSUYA
音楽もサンソフトはいつも凝ってて、特殊チップを使うんですよ。
ソフトで音楽専用のチップを組み込んで独自の音楽を作るんです。
ファミコンって4音が普通なんですけど特殊チップを加えることで2音プラスしたりとか。
特殊な音を出すことで音楽に厚みを出すとかそういう事もやってるんです。
戸松
すごいですね、ゲームもめちゃくちゃ面白そうですね。
TETSUYA
はい。ファミコンの中でも1、2を争うぐらい画面の綺麗なゲームじゃないかなって僕は思ってるんですけど。
戸松
これがSwitchで遊べるっていう事ですね。
TETSUYA
そうですね。
人気が爆発したわけではないんですけどもマニアの間では高嶺の花っていうかプレミアが付いてしまって知らないうちに今は何万円という金額になっちゃってるんですよね。
戸松
すごいーw
こういうのはきっとソフトが欲しいんですよね。
TETSUYA
そうですね、プレミアムコレクターズ商品になっちゃっていて手に入らないので配信されてるんであればぜひプレイしてほしいと思います。
戸松
ラフワールドは是非みなさんにプレイしていただきたいオススメソフトなんですね。
TETSUYA
番外編としてですけどね。
戸松
ありがとうございます。
もう1つくらいあればお伺いしたいです。
TETSUYA
これはランキングに入れたかったってぐらいのゲームなんですけど。
今回のランキングは全部二人同時プレイっていうのを題材にしたかったんで選ばなかったんですけど、番外編ということで選ぶんであればスターソルジャーですね。
戸松
スターソルジャー、これはどういったゲームなんでしょうか?
TETSUYA
シューティングゲームですね。
今はないんですけど昔ハドソンソフトというのがあって、2012年からコナミと合併して版権はコナミになってるんですけど。
戸松
ハドソンと言えばボンバーマンですね。
TETSUYA
ボンバーマンも今はコナミが版権を握ってる状態になってますね。
スターソルジャーなんですけど、グラフィックとかは置いといて派手!
とにかくシューティングゲームとして玉の飛び散り方がハンパなくて。
今でいうパワーアップシューティングゲームと弾幕シューティングの元祖なんですよ。
戸松
グラディウスとかって感じですか?
TETSUYA
グラディウスは横スクロールなんですけどスターソルジャーは縦スクロールゲームなんですよ。
グラディウスは派手さっていうかグラフィックの綺麗さですね、ボスが大きかったりとか演出力で言うとグラディウスの方が上なんですけど、スターソルジャーはとにかく連射さえできればクリアできるってくらい連射命のゲームなんですよ。
戸松
連射ゲーだったんですねw
TETSUYA
ここで出てくるのが連射で有名な高橋名人なんですけど。
戸松
え!ここで高橋名人が出てくるんですか!?
TETSUYA
今の子達は知らないかもしれないけど高橋名人は16連射で有名になったんですよ。
スターソルジャーはファミコン名人っていうのが出てきたきっかけになったゲームなんです。
今はないかもしれないけど当時スコアアタックと言ってシューティングゲームでスコアを競い合う事が結構あって 、「クリアしたぞ」ではなくてクリアした時のスコアを競っていたんですよ。
ハドソンがファミコンキャラバンって言う大会を開催していて、スコアアタックコンテストというコーナーがあったんですよ。
だから子供達はスターソルジャーでいかにスコアを取るかっていう事にこだわってやっていて、その時にデモンストレーションとして当時ハドソンの社員だった高橋名人が出てきて高得点を取って、子供たちはみんな「この人すげー!」ってなってサインをねだる現象が起きたらしくて w
※16連射とはゲーム機においてボタンを1秒間に16回押すこと。
戸松
wwwww
TETSUYA
それで高橋名人は有名になったんですけど。
そういうのもあってシューティングゲームの流れを変えたゲームですね。
戸松
そうなんですね!
TETSUYA
それまではインベーダーゲームみたいに弾を撃って敵をやっつけるっていうのがシューティングゲームの要素だったんですけど、そこに高得点でクリアするとか、パワーアップして敵をいっぱいやっつけるとか、連射の早さとか他の要素が加わりましたね。
インベーダーゲームは連射できなかったんですけど、このゲームは連打が素直に反応してくれたんですよ。
高橋名人が16連射できたってものすごいスピードだったんですよ。
16連射って口で言ってますけど1秒間で16発打ち込むわけですから。
戸松
とんでもないことですよw
TETSUYA
それの影響なのかこのゲームに黄金の指っていうアイテムが出てくるんですよ。
ファミコンって2コントローラーにマイクが付いてたんですけど、3ステージ目のある場所を打ち込む時にマイクで叫びながら打ち込むと出現するっていう。
戸松
そういったものまで実装されてたんですね!
TETSUYA
はい。この黄金の指を取るとボタンを押しっぱなしで16連射になるっていう。
戸松
みんなも高橋名人になれるんですね。
TETSUYA
それを見た時に高橋名人ってこれを自力で打ってるんだって。
ものすごい早いんですよ16連射って。
戸松
wwwww
そこで高橋名人の凄さが分かったんですね。
TETSUYA
この黄金の指取ったと時に「うわ、名人すごいわ」みたいなwww
戸松
それはサインが欲しくなるって感じなんですねw
TETSUYA
すごいですよ。
スターソルジャーはすごいスコアにこだわったゲームで隠れ要素が多かったですね。
例えばある敵を2体同時にやっつければ8万点ボーナスとか、合体するキャラクターがいて合体前に倒すと8万点とか。
戸松
特定のシーンで倒す事によってボーナス得点がもらるってことですね。
TETSUYA
そうですね、 ボーナス要素が高くていかにそれを知ってるかで高得点が出せましたね。
でも、敵を2体同時にやっつければボーナス得点が入ると言っても、16連射並の連射ができること前提なんですよ。
戸松
wwwwwwwwww
16連射並の連射ができること前提なんですかwwwww
TETSUYA
連射じゃないと追いつかないです。
戸松
では、黄金の指があれば8万点ボーナスは取れるってことですね。
TETSUYA
あとは自力でやるか、邪道ですけど当時連射機能が付いてるジョイカードというのが出てたんですよ。
それを使えば16連射できたりしましたね。
戸松
wwwww
それ絶対子供がねだるじゃないですかw
TETSUYA
そこまでハドソンが考えてたかわからないんですけど、このゲームにすごい要素を詰め込んでいてスターソルジャーがヒットしたから連射パッドも売れるし、高橋名人も有名になるし。
戸松
考えてたとしたらブランディング上手すぎですねw
TETSUYA
そうですねwww
ハドソンが開催していた全国キャラバンっていうイベントは86に始まって97年まで続いたんですよね。
スターソルジャーはキャラバンの認定ソフト第1作目なんですよ。
僕がオススメしたい理由としては全ての元祖となったシューティングでもあり、今やってもすごい派手だし、連射だけでクリアできるゲームってなかなかないと思うし、なんか気持ちがいいって言うかスカッとできる。
単調は単調なんですよ音楽もステージごとに変わるわけでもなく。
パワーアップする前の音楽とパワーアップした時の音楽っていう2曲しかないんですよ。
戸松
そうなんですね、音要素は少ないんですね。
TETSUYA
音要素はないんですけどそういうの関係なく如何に内容とバランスが重要か、そして楽しめるかを実感できる作品なので是非プレイして欲しいですね。
戸松
今回のランキングは二人で楽しめるというコンセプトの元にご紹介して頂いたんですけど、二人で縛ってなければ間違いなく入ってくる作品ってことですね。
TETSUYA
そうですね、そのくらいゲームの歴史的にも重要であり、何より色あせない名作としてオススメできる作品ですね。
戸松
なるほど、わかりました。
今回はお時間いただきありがとうございました。
▼ 取材者情報
極振りの副編集長 戸松(とまつ)
ゲームが大好きな副編集長。
いろいろなゲームをやるのでゲームにおける食わず嫌いは特にない。
高校時代はゲーセンにはまり、音ゲーやEXVSシリーズを好んでプレイしていた。
ゲーム全般は好きというだけでそこまで上手ではない。
元々エンジニアをしていたが、ゲームに関りたいという気持ちが抑えきれず、
持前の明るさを生かしてインタビュアーに転向し日々勉強中。
Twitter : https://twitter.com/Kyokufuri_T
TikTok : https://www.tiktok.com/@kyokufuri_media
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