FERIA→KeiL→妃阿甦など数々のインディーズバンドを渡り歩いてきた元V系ヴォーカリストTETSUYA(現Dear rain)が
レトロゲームを隅々までとことん語る!不定期連載!!
▼前回の記事はこちら
TETSUYAのレトロが好きで何が悪いvol.12
今回の取材は国民的ゲームと言っても過言ではないボンバーマン!
ボンバーマンに隠された秘密や、当時ならではの体験を踏まえてレトロゲーマーのTETSUYAさんにお話をお伺いしました!
戸松
ボンバーマンは僕ら世代(アラサー)であればご存じの方大変多くいらっしゃると思うんですけど、最近の中高生はもしかしたらボンバーマンを知らないって方もいらっしゃると思うので、ボンバーマンとは何かというところからお話をお願いできますか?
TETSUYAさん
ボンバーマンは最近はスマホアプリでも展開されてますし、SwitchやPlayStationでもプレイできるメジャータイトルのひとつですね。元々は昔あったハドソンソフトっていう会社が作ったゲームだったんです。それが吸収合併したことで現在はコナミに版権が移りました。
戸松
ハドソンでしたね!僕がスーパーファミコンでやってたボンバーマンはハドソンのクレジットでした!
TETSUYAさん
今の子はハドソンって言っても分からないよねw
戸松
その可能性はありますねw
TETSUYAさん
なので今の子にも分かりやすく説明すると、コナミから出ている対戦型のアクションパズルゲームで、決められたルールの中で爆弾を駆使して、お互いどちらが生き残るかを争うゲームです。
でも、ボンバーマンの大元をたどると実はものすごく形が違ってくるんです。
戸松
そうなんですか!?
TETSUYAさん
もう戸松さんたちの世代が知っているボンバーマンすら、僕らが知っているボンバーマンとはまた違う認識のキャラクターなんですよ。
僕らの世代から言うと、後の世代のボンバーマンですよね。
▲ ボンバーマンは対戦がメインとなっている認識だが…。
戸松
僕らが知っているボンバーマンすら後期のキャラクターなんですか?
TETSUYAさん
そうですね。
戸松
昔、親父と二人でボンバーマンを協力して遊んだ記憶が強く残ってるんですが、最初は違ったと。
TETSUYAさん
そうです。
その対戦プレイすら僕ら世代のボンバーマンにはなかったんです。
対戦もなければ協力プレイもなかったのが僕らのボンバーマン。後からどんどんシリーズが進むに連れて、そういう機能が追加されていった。
今ではシリーズが68作くらいあるのかな?
戸松
戸松:え!?今ってそんなにボンバーマンのソフトがあったんですか!?
TETSUYAさん
昔のボンバーマンと最新のボンバーマンではストーリーもだいぶ変わってるし、システムも結構変わってますね。
今回はそういう歴史的なところについても語っていければと思ってます。
戸松
ありがとうございます!早速お願いします!
戸松
ボンバーマンって皆で遊べるような、家庭でちょっと遊べるものであったり友達同士で遊べるみたいなのもあったり、パーティーゲームの要素もあるかなり人気の作品ですよね。
TETSUYAさん
そうですね。でもボンバーマンって今の形になる前に実は元になるゲームがあったんですよ。
戸松
ボンバーマンって元になるゲームが別であったんですか!?
TETSUYAさん
ハドソンが初めてボンバーマンを開発したのが、1983年の頃でしたが、その頃はまだファミコンのブームは来ていなくて、パソコンでゲームをするのが主流でした。
戸松
先日インタビューで伺ったPC-88シリーズとかの頃ですよね。
▲ PC-8801についてのインタビュー記事
TETSUYAさん
そうですね。その頃はハドソンが開発したパソコンゲームが色々あったんですが、その中に「爆弾男」っていうゲームがあったんです。
戸松
めちゃくちゃ直接的じゃないですかwwww
TETSUYAさん
この「爆弾男」ってゲームが元となるわけですが、当時は今のボンバーマンみたいな絵じゃなかったんです。
戸松
そうなんですね。
TETSUYAさん
普通の人間で、迷路から脱出するために敵を爆弾で倒しながら進んでいくっていうストーリーでした。
戸松
脱出ゲームなんですね。
TETSUYAさん
はい。ゲーム性自体は今のボンバーマンと同じなんだけど、爆弾男の頃は爆弾が複数置けるようになるとか、壁がすり抜けられるようになるとかの、パワーアップシステムは一切存在してないんです。
戸松
そういった違いがあるんですね。
TETSUYAさん
爆弾男は最初から5つ爆弾が置けて、火力の強化をしなくても3マス分くらいの火力はありました。
戸松
なるほど、最初のノーマル状態の頃から強いという違いも。
TETSUYAさん
でも敵キャラのスピードもすごく早くて、爆弾を通り抜けてきたりとか結構理不尽な設定だったのでゲームバランスが崩壊気味でしたねw
戸松
wwww
TETSUYAさん
まぁテレビゲームが浸透する前のゲームだったので、バランス調整とかの概念もなかったのかも知れませんけど。
戸松
そういう時代と言ってはなんですけど、黎明期ですもんね。
TETSUYAさん
そうですね。あと逸話ですが、この「爆弾男」実はハドソンの新入社員の人が作ったゲームなんです。
戸松
新入社員の人超優秀ですねw
TETSUYAさん
そんな爆弾男ですが、後にハドソンもファミコンソフトを販売していこうってなった時に、そのネタ探しの中で爆弾男をファミコン版としてリメイクする話が出たんです。
戸松
なるほど、そういう経緯で爆弾男はボンバーマンにつながってくるんですね。
TETSUYAさん
ゲームの名前こそ爆弾男からボンバーマンに変わりましたが、爆弾を使って敵と戦いながらゴールを目指すゲーム性は引き継がれました。
そのタイミングで、現在まで受け継がれるパワーアップシステムも追加されて販売するに至ったんです。
戸松
爆弾男のゲーム性がボンバーマンに引き継がれて、後世まで親しまれるゲームにアップデートされていったと。
TETSUYAさん
そうですね。
TETSUYAさん
ハドソンはボンバーマンの前にロードランナーっていう名作ゲームをファミコンで販売しているんです。
戸松
ロードランナー。名前は聞いたことあります。
TETSUYAさん
これもパズルアクションゲームなんですが、当時は画面が大幅にスクロールできなかったりとか技術的な制限があったので、マリオブラザーズやドンキーコングみたいな1画面式パズルゲームが多く存在してて。
戸松
当時の技術力ではそれでも革新的だったりしたんでしょうね。
TETSUYAさん
ロードランナーは元々ハドソンの版権ではなくって、海外の「ブローダーバンド」っていう会社が版権元なんですが、そこが開発したゲームをゲームセンターに移植したのが「アイレム」っていう会社で、それをファミコンに移植したのがハドソンなんです。ちょっとややこしいですけど。
戸松
なかなか遠回りしてファミコンまできましたね・・・
TETSUYAさん
ロードランナーのストーリーは、ある帝国に奪われた金塊を取り返しながら、地下施設から地上へ脱出するみたいなゲーム。
主人公のランナーくんは人間だけど、敵キャラはロボットなのですが、このロボットが後にボンバーマンだという後付け設定がつくんです。
戸松
え、敵がボンバーマン!?
TETSUYAさん
そう。グラフィックもボンバーマンと一緒です。
形としてボンバーマンはそこで存在していた。名前はボンバーマンじゃなくてロボットですけど。
戸松
いまボンバーマンを知っている人が見たら、名前は違うけど姿形はお前ボンバーマンじゃん!ってなるんですね!
TETSUYAさん
この敵キャラがボンバーマンってところが、ロードランナーの後に販売された初代ボンバーマンに繋がるんです。
TETSUYAさん
先程初期のボンバーマンは対戦ゲームじゃない、と言いましたね。
戸松
はい、それも驚きでしたが、じゃあどんなゲームだったんですか?
TETSUYAさん
対戦ゲームの印象がある戸松さんには意外かもしれないですが、初期はストーリーが用意された一人用のアクションパズルゲームだったんですよ。
戸松
ボンバーマンにストーリーがあったんですか!?
TETSUYAさん
そうなんです。ストーリーもロードランナーと繋がってる内容で、ロードランナーの敵キャラであるロボットは日々爆弾を作らされていた。
しかし、その中のある1体のロボットが悪に加担するのは嫌だという気持ちを持っていた。
そんな時に地上に出れば人間になれるって噂を聞き、自分の作った爆弾を駆使して地上を目指していくってストーリー。
戸松
結構壮大なストーリー・・・
TETSUYAさん
ゲームとしては全50面のステージで構成されてるんですよw
戸松
結構なボリュームですねw
TETSUYAさん
全部のステージをクリアすると画面いっぱいに英語のメッセージが出てくるんですが、それを日本語にすると「あなたはついに人間(ロードランナー)になれた。ロードランナーで会いましょう」って表示されるんです。
その後、ボンバーマンが歩きながら人間の姿に変わるんです。その姿が、ロードランナーのランナーくんなんです。
戸松
まさかひとつ前に発売されたロードランナーの主人公の正体が敵キャラであるボンバーマンだったとは!って衝撃を受けますよね。
TETSUYAさん
後付けですけどね。だからボンバーマンというゲームの大元はロードランナーが始まりで、そのスピンオフとしてボンバーマンが作られたっていう流れだったんです。
ちなみに現在はこの設定は無かった事になっています。
あまりにもボンバーマンの人気が出たからみたいですけどね。
戸松
そうだったんですね!
TETSUYAさん
補足ですが、これはあくまで「ハドソン」が作った設定で、版権元の「ブローダーバンド」は関係ないです。
ハドソンが「ボンバーマン」を出す際にたまたま「ロードランナー」の敵ロボットをモデルにしてストーリーを関連付けた【後付け】設定なんです。
TETSUYAさん
あとボンバーマンを売り出す時に衝撃的なエピソードもあって。
戸松
なんですか?
TETSUYAさん
ボンバーマンがランナーくんになるエンディングの話なんですけど。
実は、ボンバーマンがファミコンで発売されるときのCM映像でこのエンディングが流れてますw
戸松
え?w
TETSUYAさん
めちゃネタバレしてるんですw
戸松
ロードランナーで会おうっていう超重要な最後の衝撃的な事実がですか?
TETSUYAさん
そう。そのCMでナレーションされるキャッチフレーズがあって。
戸松
え、なんだろう・・・
TETSUYAさん
「君はロードランナーになれるか?」
戸松
wwwwwww
TETSUYAさん
wwwwww
戸松
めちゃくちゃネタバレしてくるんですねw
ロードランナーってあのロードランナー?って思いながらCMを見るわけですよね。
TETSUYAさん
そうなんです。
あ、ロードランナーに繋がるゲームなんだ。って子供ながらに思いますよね。
戸松
そうですよね。お話を聞いているとすごい流行してたゲームですもんね。
TETSUYAさん
そういうのもあって、僕ら世代からしたらボンバーマンがロードランナーにつながっているゲームって認識は当たり前になっちゃってる。
戸松
なるほど。じゃあTETSUYAさん世代からみると、ボンバーマンはランナーくんがロードランナーになる一連のストーリーが当たり前に思えるけど、ファミコン世代を知らない僕らからしたら、対戦ゲームとしてのボンバーマンしか知らないから、認識の差が生まれているわけですね。
TETSUYAさん
ストーリーもそうだし、ボンバーマンってゲーム自体の位置づけも重要だった。
当時は単調なゲームが多い中で面白いゲーム性を持っていたし、ボンバーマンⅡなんかは3人以上でゲームが楽しめるパーティーゲームの先駆け的存在だったから、今のゲームに与えた影響も大きいですね。
戸松
ゲーム黎明期の大作ですね。ボンバーマンって意外とゲーム業界に貢献してたたんだなぁ。
TETSUYAさん
ゲーム業界に新たな流れを作ったゲームだったのは間違いないですね。
戸松
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